2024.01.28 金閣寺東の町家(3) 工事が始まりました。まずは設備配管のため、残っている土間をすべて解体します。 通り庭(土間)の下に給排水、ガスの配管を仕込んでいます。もちろん重機は入れないので、土を掘るのも全て手作業です。 古い建物では床下に土が露出していましたが、湿気があがってくる原因となるため、防湿フィルムを敷きこみます。既存の基礎に差し筋(鉄筋を差し込むこと)をし、新しい土間と緊結します。 防湿フィルムの上から土間コンクリートを打設します。 土間コンクリートが固まったら、長い年月で下がってしまった柱をジャッキアップし、慎重に元の位置まで戻します。「あげまえ」といわれる工程です。 あげまえで水平がとれたら、腐っていた柱の足元を新しいものに差し替えます。「根継ぎ」という工法で、職人技による見事な手刻み加工が施されています。 柱の間に断熱材を充填していきます。夏暑く冬寒いといわれる古民家ですが、断熱化、気密化をしっかり行えば現代の住宅と変わらず快適に過ごせます。無理なく長く住める環境づくりも、町家を引き継いでいくには大切なことかもしれません。 屋根にアルミ遮熱材を敷き込みます。ポリスチレン系の断熱材が空気層によって熱の伝わりを「遅くする」のに対し、アルミ遮熱材は反射によって熱の伝わりを「遮断する」という違いがあります。焼き芋を包むアルミホイルのような役割です。特に近年の厳しい夏の暑さに効果的で、建築でも使われることが増えてきました。 古くなった瓦屋根を撤去し、金属屋根に葺き替えます。建物上部が軽くなることで、耐震性の向上にもつながります。建物を支える骨組みが整ってきました。つづいて内装工事に入っていきます。 PrevPrevious NextNext