金閣寺東の町家(6)

完成した建物をご紹介します。
表側の外観。周りの家と比べて小ぶりですが、かつては同じ高さの町家が軒を連ねていました。

 

玄関から裏庭まで続く通り庭。左上の格子から2階が見えます。
この格子は設計に無かったのですが、壁を解体した時に空間がつながって見えるのが面白く、取り入れました。

 

ミセノマの書斎。奥の引き戸は元あったものを再利用しています。今ではなかなか作れない繊細な造りです。

 

通り庭から玄関を見る。

 

高窓から光が差し込むキッチン。

 

かつて織物工房だった土間。床と壁をモルタルで仕上げています。
実際にソファに腰かけると、床が掘りこまれている効果で想像以上に安心感がありました。

 

ソファからキッチンを見る。床の段差は来客の多いとき腰かける場所にもなります。
家主もここで多くの時間を過ごすそうです。

 

日暮れ前のリビング。

 

階段も当時の姿のままです。

 

2階寝室。右手の建具はラタン製。奥に火袋が透けています。

 

床の間、トントン葺き、ゴロンボも以前の姿のままです。

 

障子は一般的な和紙ではなく、繊維状のものを使っています。滅多なことで破れる心配がなく、風を通すので網戸代わりにもなります。

 

庭と連続する浴室。

 

庭とリビングと浴室。浴室扉も元の町家にあった建具を再利用しています。

 

書斎で仕事をしている気配が、明かりとともに家の外に伝わります。
町家の姿形だけでなく、その暮らしぶりも引き継ぐ、懐かしく心地よい住まいとなりました。
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